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和歌山県西牟婁郡すさみ町のニホンオオカミ上顎裂肉歯穿孔加工品

 

井上 百合子Yuriko  Inoue 日本考古学協会員 牙映像企画      
〒649-5466和歌山県東牟婁郡那智勝浦町樫原1161
八木  博 Hiroshi Yagi   秩父宮記念三峰山博物館客員研究員

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『所蔵者』和歌山県西牟婁郡すさみ町楠本忠三氏

『初めに』
  世界中に存在する二ホンオオカミの標本を数多見て来たが、喉から手が出る位欲しいと感じた標本の中の一つで、オオカミに対し山人達の思いが込められたと感じる根付けであった。また、裂肉歯の一つを根付けにしようとする思いは、山での仕事が何たるものかと思わせる標本でもあった。

『由来』
 楠本家5代前の先祖は現在の中野川より1つ東の谷の西野川出身だが、その頃すでに所有していたと言う。現在はレース編みの小袋に入れ、穿孔部に紐を通し、小さな彫り物を付けて、根付けとして使われていたと思われる。

『所見』
 ニホンオオカミの右P4の歯根部前半を削り、歯冠から紐を通す孔を貫通させたもので、黒いうるしをうっすらとかけてあり、歯冠部はこげ茶色を呈している。

  1995年2月25日 日本考古学協会員 井上百合子所見 

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CANIS NO20 July 19, 2013

監修: 八木 博

企画: 牙映像企画 井上百合子

発行: 秩父宮記念三峯山博物館

編集: 渡部弥一郎

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